SDGs
未来に繋がる小さな一歩
朝夕の冷え込みが一段と厳しくなり、冬の訪れを感じる季節になりました。
長野市では鮮やかな紅葉の時期は過ぎてしまいましたが、晩秋の空のように清澄な気持ちで職務に向き合っております。
さて、今月のアルキャストは学生さんとの交流の機会を多く頂きました。
8日には「総合的な学習」でSDGsについて学ぶ小学生の皆さんを迎え入れ、当社がどのようにしてSDGsに取り組んでいるのかを講習いたしました。
当社ではかねてより環境対応印刷に取り組んでおり、その中でSDGsのゴールに繋がる様々な取り組みにチャレンジしています。
印刷に使われる用紙やインキなどの資材を環境に良いものに変えるだけではなく、社外へ飛び出して行っている植樹活動など、環境問題を肌に触れながらSDGsに取り組む当社だからこそ伝えられる思いを講習に込めさせて頂きました。
また、アルキャストでは以前より国内産の竹から作られる「竹紙」の利用を推進しておりましたが、最近はもう一歩踏み出し「竹」その物の利活用に踏み出しました。
竹は成長が早く循環利用が容易な資源ではありますが、その成長の早さや繁殖力の強さは、“厄介者”としての側面も持ち合わせます。
特に高齢化により増加する耕作放棄地への竹林の浸食は、里山にとって大きな課題のひとつであり、生態系や景観への影響だけでなく、災害リスクの面からも早急な解決が求められています。
アルキャストでは、そんな放置竹林の問題解決の一端として「竹パウダー」の製作、実用化に乗り出しました。
今年7月には長野県更科農業高等学校、七二会里山整備利用推進協議会にご協力を頂き、実際に放置竹林に赴いて竹を伐採するところから竹パウダー作りがスタートしました。
乳酸菌発酵した竹パウダーは、土壌改良剤として土壌硬度の改善、農作物の収穫量や糖度の向上などの効果が期待されています。
そして、12日には長野市教育委員会事務局学校教育課が主催する「わくわくリーダーズながの」で活動されている長野市内の小中学生の皆さんを迎え入れ、「竹」をキーワードに講習をさせて頂きました。
先だっては、竹パウダー作りでもご協力を頂いている七二会里山整備利用推進協議会による竹の利活用の現状や、里山における竹林の課題などの講習からのスタートです。
竹という素材の需要が減った事、放置竹林が抱える問題などをお聞かせ頂き、その上で循環利用が容易な竹の利活用の重要性が説かれました。
続いて、アルキャストの取り扱う環境対応の特殊紙が持つ様々な特性について講習させて頂き、今回のテーマでもある竹についてより深く考え、肌で感じてもらおうと、竹紙を使ったペーパーバッグの製作体験へと移ります。
実際に竹紙に触れる事で、その質感や丈夫さなどを感じてもらい、竹の可能性を知り、興味を深める、そんな時間を共に過ごす事ができました。
さらに、普段何気なく使っているペーパーバッグを自らの手で折る事で、身近な紙製品へ愛着を持って接する様になる事もまた、ひとつのSDGsなのかもしれません。
講習の中で子どもたちに質問を投げかけた時、大人たちが予想もしなかった答えが返ってくる事があり、その柔軟な発想に本当に驚かされます。
今、世界は大きな変化を求められていますが、この子どもたちの柔軟な発想がいつか世界を大きく変えるかもしれないと、本気で考えさせられる貴重な体験ができました。
SDGsのゴール(目標)は決まっていますが、そこに辿り着くまでのルート(手段)は決められていません。
今回、当社の講習に参加された皆さんが、どのようなルートで世界を変えていくかはわかりませんが、その“未来に繋がる小さな一歩”のお手伝いができたのなら、講師を務めた企業として大変光栄に思います。
最後になりましたが、このような貴重な機会を設けて頂きありがとうございました。
ご協力いただいた団体、保護者の皆様に改めて感謝申し上げます。
2022.11.30 カテゴリー: SDGs