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SDGs

竹取のアルキャストといふもの有けり

長野の厳しく寒い冬が終わり、待ちわびた春の訪れもあっという間に過ぎ去って、日中は汗ばむ様な初夏を感じる5月がやってきました。
そんな初夏を迎えた長野の味覚の一つに「淡竹」があります。
一般的に「たけのこ」というと孟宗竹の根(下側)が太い三角形をした物を思い浮かべる方が多いと思いますが、長野の北信地域で多く採れる淡竹のたけのこは細く長い形をしており、新鮮な物であればアク抜きを必要としない事が特徴です。

淡竹のたけのこ

孟宗竹に負けない美味しさがありながら、アク抜きを必要としない手軽さもあり、地元で愛される「旬の味」ではありますが、長野県内でも北信地域以外ではあまり知られていません。
淡竹は「日本三大有用竹」のひとつでありながら、日本における竹林面積の割合は孟宗竹・真竹が90%以上を占める中、10%未満と言われており、その希少性も特徴の一つと言えるでしょう。

当社が管理に協力している竹林のひとつ(写真は真竹の竹林です)

先日のブログでも紹介いたしましたが、新事業として「竹事業部」が立ち上がりました。
この事業部は当社がかねてより取り組んでいた竹紙への印刷、竹紙商品から始まった竹関連事業をまとめるだけではなく、この時期だけの特産品である「淡竹のたけのこ」の販売を新たにスタートいたしました。


印刷会社である我々にとって、食品を販売するというのは初めての経験であり、手探り状態でのスタートとなってはいますが、うれしい事に地元産の食材にこだわるスーパーや料理店での取り扱いを始めていただいております。

管理のための伐採の様子(写真は真竹の竹林です)

良いたけのこを採るためにも、また里山整備の観点からも竹林の管理伐採は避けて通れる道ではなく、まだたけのこの姿もない4月から竹林に入って整備を始めておりました。

根元から折れ曲がり畑に倒れ込んでしまった竹(写真は真竹です)

冬の重い雪で折れ、道路や田畑に倒れてしまった竹の除去や間伐などをして竹林周辺の環境整備とともに「たけのこ」にとって良い生育環境も整えていきます。

根元から切った長い竹(写真は真竹です)

伐採した竹は長いもので15メートルを超えるものもあり、その扱いは容易ではありません。
周辺の田畑や民家を傷めぬよう、伐採した竹を慎重に運び出します。

切りそろえた竹(写真は真竹です)

伐採後は扱いやすい長さに切りそろえ、パウダーやチップなどに生まれ変わり活用されていきます。
また、これまでの活用方法に加え、新たな活用方法を模索しているところであり、こちらについては改めて良いお知らせができればと思っております。

こちらは長野県産としては希少な孟宗竹のたけのこ

たけのこの販売については長野県北信地域の特産である「淡竹」を中心に、こちらも長野県産としては希少な「孟宗竹」、食感の良さが特徴の「真竹」と3種類を取り扱っております。


収穫可能な時期の目安としては孟宗竹が5月上旬から中旬、淡竹が5月中旬から6月下旬、真竹が6月下旬から7月中となっております。
自然のものですので、品種によっては採れる量が少なかったり、時期がずれたりはいたしますが、「長野県産のたけのこ」を是非手にしたいという企業・団体や個人のお客様がおられましたら、まずはアルキャスト「竹事業部」までお気軽にお問い合わせください。

青く澄んだ空と美しい竹林

竹紙という1枚の紙から始まった“物語”は印刷だけにとどまらず、里山整備、竹の利活用を経て「たけのこの販売」という新たな“章”に突入しました。


挑戦を続けるアルキャストが紡ぐストーリーを、これからもご期待ください。

2025.05.27 カテゴリー: SDGs

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